【二次創作はOK?】反AIがダブスタの主張をする理由|具体例から見る矛盾を解説

「反AI派の主張を見ていると、言っていることとやっていることが違うのでは?」と感じた経験はありませんか?SNSなどで過激な言葉を目にする一方で、その背景にある矛盾点に疑問を抱く人も多いです。
この記事では反AIがダブスタと指摘される具体的な理由や、ダブスタが生まれる心理的な背景について解説します。
- 反AIの矛盾した言動の具体例
- ダブスタが生まれる心理的な背景
- 感情論に惑わされないための思考法
- これからのAI時代を生き抜くヒント
同じような状況や同じ対象であるにもかかわらず、人、立場、状況などによって、矛盾した二つの異なる基準(ものさし)を不公平に使い分けること。
反AIがダブスタと批判される理由

ここでは反AI派の主張がダブスタ(ダブルスタンダード)と言われる理由について以下の内容を解説します。
- AIの恩恵を受けながらAIを批判
- 二次創作とAI生成における矛盾
- 著作権保護を訴えながら権利侵害
AIの恩恵を受けながらAIを批判
反AI派はAI技術を批判しつつ、日常生活ではその恩恵を受けている点がダブルスタンダードだと指摘されています。AI翻訳サービスやAIチャットボット(ChatGPTなど)は普通に使うのに、画像生成AIだけを過剰に批判するのです。
AI技術そのものを否定するのであれば反AI派の主張にも一貫性があります。しかし、画像生成AIだけを批判するのは「自分が気に入らないから批判しているだけ」と捉えられても仕方ありません。
二次創作とAI生成における矛盾

反AI派の中にはAIによる画像生成が既存の著作物を無断で学習しており、著作権侵害にあたると強く主張する人々がいます。しかし、その主張をする人たちの中に、二次創作活動を行っているケースが見られます。この矛盾がダブルスタンダードだと言われています。
二次創作は既存のアニメや漫画のキャラクターを使い、ファンが新たな物語やイラストを創造する文化です。著作権法に照らし合わせると、権利者の許可なく行われる二次創作は「黒に近いグレー」な領域にあります。
多くの場合は権利者が黙認しているため、問題化しないことがほとんどです。
AIによる創作活動を「著作権侵害だ」と批判しながら、自身は著作権上グレーな二次創作を行う。この態度の違いが、典型的なダブルスタンダードとして批判の対象になるのです。
著作権保護を訴えながら権利侵害
著作権を守るべきだと主張しながら、皮肉にも自らが権利侵害を行ってしまうケースも報告されています。
あるAI画像生成ツールが「無断転載画像を使わずに学習した」と発表した際、一部の反AI派がそのツールを試しました。彼らは、人気アニメのキャラクター名などを入力し、意図的に著作権で保護されたキャラクターに似た画像を生成させました。
「この通り、版権画像が出てくるじゃないか。けしからん」といった趣旨の批判と共に、生成された画像をSNS上に公開したのです。
この行為には大きな問題が潜んでいます。文化庁の見解によればAIが生成したものであっても、既存のキャラクターと酷似した画像を公開した場合、その責任はAIではなく「生成して公開した人間」が負うことになります。つまり、権利保護を訴える者が、結果的に権利を侵害するという自己矛盾に陥っている状況です。
» 文化庁「著作権テキスト」(外部サイト)
反AIのダブスタが生まれる心理的背景

反AI派がダブルスタンダードな言動を生み出す3つの心理的要因を解説します。彼らの行動原理を理解することで、問題の本質が見えてきます。
- AI技術への理解不足と感情的な反発
- 正義を振りかざすキャンセルカルチャー
- 自分の矛盾を正当化する認知バイアス
AI技術への理解不足と感情的な反発
ダブルスタンダードな言動が生まれる根底には、AI技術そのものへの理解不足と、そこから来る感情的な反発があります。AIの仕組みは複雑なため、中途半端な理解ではまともな意見は出せません。
イラストや写真といった視覚的で感情に直接訴えかける生成物に対して、人はより強い警戒心や嫌悪感を抱きやすい傾向があります。
AIが人間の創造性の根幹である「アート」の領域に踏み込んできたことへの抵抗感が、冷静な判断を難しくさせているのかもしれません。
「AIに仕事を奪われる」「人間の創造性が失われる」といった漠然とした不安が、感情的な拒絶反応を引き起こします。技術の一部を便利に使いながら、別の部分を感情的に否定するという矛盾は、こうした心理状態から生まれているのです。
正義を振りかかわらずキャンセルカルチャー

一部の反AI派の行動は特定の対象を集団で攻撃し、社会的に排除しようとする「キャンセルカルチャー」に似ています。キャンセルカルチャーとは「強い正義感を理由に、みんなで一斉にSNSなどで誰かを攻撃し、社会から追い出そうとする動き」のことです。
人気アニメや有名アーティストが公開したイラストに対して「AIが生成したものではないか」という疑惑だけが先行し、激しい批判が殺到する事例がありました。「AIっぽい」という主観的な印象だけで「魔女狩り」のように追い詰めていくのです。
» FLASH「有名絵師「AI使用疑惑」で本人が「証拠動画」公開の事態」(外部サイト)
このような行為は「誰かを叩きたい」という欲求が先にあり、都合の良い道具として「AI批判」や「クリエイターの権利」が利用されている側面があります。
自分の矛盾を正当化する認知バイアス
人間は自分の考えや行動に矛盾があると不快感を覚える生き物です。そのため、無意識のうちに自分の矛盾を正当化しようとする心理的な働き、いわゆる「認知バイアス」が働きます。
例えば「AIは悪だ」と信じている人が便利な翻訳AIを使った場合「これは仕方ない」「このくらいは許される」と自分の中で理由付けを行い、矛盾から目をそむけます。
「確証バイアス」も影響しているでしょう。自分の考えを支持する情報ばかりを集め、反対意見を無視する傾向のことです。反AI派はAIの危険性を訴える情報ばかりに触れることで、自分たちの矛盾に気づけなくなります。
これらの認知バイアスが、ダブルスタンダードな言動を無自覚のうちに生み出しているのです。
AIを学ばないとやばい理由3選

AIの登場は説明するまでもなく「時代の転換期」であると言えます。AIが本格的に人間の知能を越える前に、AIを使いこなす知識を身に付けておく必要があるのです。
今後AIを学ばないとやばい理由は以下のとおりです。
- 仕事を奪われる
- 格差が広がる
- 思考停止してしまう
仕事が奪われる
「AIの進化によって多くの仕事が奪われる」といった話は聞いたことがあるかもしれません。しかし、大半の人は「自分には関係ない」と楽観的に考えていることでしょう。
- 仕事を奪われるのはパソコンの前に座っている人だけ
- 俺は現場に出て働いているから関係ない
- AIと言っても動画や画像が作れるだけでしょ?
こういった考え方はあなたのクビを静かに締め上げています。
近い将来、企業の事務作業はAIが代替し、大幅な効率化が実現します。経営者は次に「AI導入で浮いたコストで、さらに会社の利益を上げるにはどうすればいいか?」と考えるはずです。
その答えは「成果の出さない社員のリストラ」です。「コスト削減」という大義名分のもと、会社全体で「本当に必要な人材」の選別が始まります。
つまり、リストラされるのは単純にやる気のない人です。事務作業がなくなったからといって、事務担当者がそのまま切られるわけではありません。
そうなってからやる気を出してももう遅いのです。
情報格差が広がる

「情報格差=資産格差」と考えてください。これからの時代はAIを使って大量の情報にアクセスし、適切に使いこなせる人間だけが富を得ることができます。
AIを使う人と使わない人とでは、勉強や仕事において取り返せない格差が広がるのは当たり前になります。
AIを使いこなす起業家は市場のニーズを瞬時に分析し、コストを極限まで抑えたサービスで、古い企業から顧客と利益を根こそぎ奪っていく。
AIを使いこなす同僚はあなたが1週間かける仕事を半日で終わらせ、その差は給料と昇進となって明確に現れる。
AIを学んだ人は仕事を効率的に進めて、普通の人の倍のスピードで仕事を終わらせます。これではAIによる格差が広がるのは当然ですよね。
問題は「自分はどちら側に立つか」です。
思考停止してしまう
AIを普段から使っていない人は、思考停止でAIの言うことを鵜呑みにするようになります。単純に頭を使わなくなるだけではなく、情報の真偽も見抜けなくなるということです。
AIは「それっぽい情報」を出力するのが得意です。最近は情報の精度も高まってきていますが、それでもまだ完璧ではありません。
普段からAIを使っていない人は情報の真偽を判断できないため、AIから出力される情報を信じることしかできません。AIが作り出した情報を真実だと思い込んでしまうと、気付かないうちに間違った方向に進んでしまうこともあり得ます。
AIに普段から触れている人はAIに答えを求めるような使い方はしません。自分の考えを深めるためのツールとしてAIを使っているのです。
つまりAIを使う人はより思考が深まり、AIを使わない人はより思考が浅くなるということです。こんなところにも格差が生まれてしまうんです。
大切なのは今のうちからAIを使いこなせる人材を目指すことです。
感情論に惑わされずAI時代を生き抜く方法

ここからはAI時代を賢く生き抜くための具体的な3つの方法を提案します。未来を見据えた建設的な視点を身につけていきましょう。
- AIのリスクと可能性を正しく学ぶ
- 建設的な議論で未来を考える
- AIを創造性を高めるツールと捉える
AIのリスクと可能性を正しく学ぶ
AIとの共存が避けられない現代において重要なのは、AIが持つリスクと可能性の両方をバランス良く学ぶ姿勢です。AIには確かに以下のようなリスクが存在します。
- 著作権侵害の問題
- ディープフェイクによる情報操作
- 個人情報の悪用
しかし、同時にAIがもたらす大きな可能性も理解する必要があります。医療分野での診断支援、災害予測、教育の個別最適化、そしてクリエイティブな作業の効率化など、AIは社会をより良くする力を秘めています。
一方的な情報に偏らず多角的な視点からAIを学ぶことで、漠然とした不安は具体的な知識へと変わり、より冷静な判断ができるようになるでしょう。
建設的な議論で未来を考える

感情的なレッテル貼りやキャンセルカルチャー的な攻撃は、何も生み出しません。「AIという新しい技術と社会がどう向き合っていくべきか」という大きなテーマに対しては、冷静で建設的な議論が不可欠です。
AI推進派、慎重派、それぞれの立場からの意見を尊重し、対話を通じて解決策を探る姿勢が重要です。自分の意見と違うからといって相手を攻撃するのではなく、なぜそう考えるのかという背景に耳を傾けることが、より良い未来を築くための第一歩となります。
AIを創造性を高めるツールと捉える
AIを「人間の仕事を奪う敵」と見なすか「人間の能力を拡張する味方」と捉えるかで、未来は大きく変わります。これからの時代を生き抜くためには、AIを創造性を高めるための強力なツールとして活用する視点が重要になります。
イラストレーターがアイデア出しの段階で画像生成AIを使ったり、ライターが文章の構成案をAIに作らせたりと、すでに多くの現場でAIは活用され始めています。AIを単なる模倣機械ではなく、自分の創造性を刺激してくれるパートナーとして捉えましょう。
AIを使いこなすためには新しいスキルや知識が必要になります。変化を恐れて拒絶するのではなく、変化に適応し、新しいツールをいかに自分の力にするかを考えることが大切なのです。
まとめ

反AIに見られるダブルスタンダードは、技術への理解不足や感情的な反発から生まれます。これからの時代、AIのリスクと可能性を正しく学び、感情論に流されず冷静に向き合う姿勢が不可欠です。
AIを敵視するのではなく、自らの能力を拡張するツールとして活用する視点を持つことが大切です。