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反AIが嫌い・怖いと言われる理由を客観的な視点から解説

反AIが嫌い・怖いと言われる理由を客観的な視点から解説
sibatako

SNSなどで見かける反AIの過激な言動に、嫌悪感や恐怖を感じていませんか。彼らの主張にはなぜデマや矛盾が多く含まれるのか、疑問に思うこともあるでしょう。この記事では、反AIが嫌われる理由を多角的に分析し、クリエイターがAIと建設的に向き合う方法を解説します。この記事を読めば、感情的な対立から一歩引いて、正しい知識でAIとの未来を考える視点が得られます。

この記事のポイント
  • 反AIの言動が過激化する背景
  • 拡散されるAI関連のデマや矛盾点
  • クリエイターとAIの建設的な関係性
  • 感情論に惑わされないための視点

反AIが嫌い・怖いと言われる理由

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反AIが嫌い・怖いと言われる理由は以下のとおりです。

  • 過激化する誹謗中傷の実態
  • 拡散され続けるAI関連のデマ
  • 論理が破綻したダブルスタンダード
  • 技術進化への一方的な拒絶感

過激化する誹謗中傷の実態

反AIの活動は特定の個人や企業への過激な誹謗中傷に発展しています。クリエイターや創作文化を守るという主張を掲げながら、その手段が過激化してしまうのです。

AIを利用するクリエイターや、AI技術を導入した企業に対して「泥棒」「罪人」といった言葉で一方的に断罪し、集団で攻撃することがあります。

SNS上で人格を否定するような言葉を浴びせたり、作品に対して不買を呼びかけたりする行為は、もはや健全な議論の範囲を超えています。

このような行動は「キャンセルカルチャー」や「魔女狩り」とも呼ばれています。AIを利用しただけで「AI堕ち」とレッテルを貼り、活動の場を奪おうとする動きにまでつながることもあります。

こうした過激化する反AI派の活動に対して嫌悪感を抱く人は多いです。

» 反AIの魔女狩りはなぜ起こる?背景にある嫉妬と暴走の心理

拡散され続けるAI関連のデマ

反AIの主張が過激化する背景には、技術的な誤解にもとづいた「デマ」の拡散があります。生成AIの仕組みや関連する法律、各種サービスの利用規約を理解しないまま、感情的な不安だけが先行してしまうことが大きな原因です。

例えば、以下のような誤情報がSNSを中心に広く拡散された事例がありました。

  • 「AIは既存の画像を切り貼りするコラージュツールだ」
    現在の主要な生成AIは画像を切り貼りするのではなく、データの特徴を学習して全く新しい画像を生成する仕組みです。
  • 「Glazeなどのツールを使えばAIの学習を完全に防止できる」
    GlazeとはAIによる学習を防止できるツールです。しかし、AIによる学習を完全に防止できるわけではありません。
  • 「X(旧Twitter)は規約変更で初めて画像のAI学習を許可した」
    Xのようなプラットフォームでは、規約変更以前から投稿データをサービス改善や開発に利用する旨が記載されていました。

これらのデマは人々の不安を煽り、冷静な議論を妨げる一因となっています。

論理が破綻したダブルスタンダード

一部の反AIの主張には、自身の行動や利用する技術において矛盾、いわゆるダブルスタンダードが見られるとの指摘があります。プラットフォームが提供する利益は受け入れながら、その対価として規約で定められた義務は果たさない、という姿勢がその一例です。

SNSを活用して自身の作品を多くの人に見てもらおうとする一方で、SNSの利用規約に同意したはずの「AI開発のためのデータ提供」は断固として拒否する、という行動が指摘されています。

反AI派のダブルスタンダードについては以下の記事でも解説しています。

【二次創作はOK?】反AIがダブスタの主張をする理由|具体例から見る矛盾を解説

技術進化への一方的な拒絶感

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新しい技術に対する一方的な拒絶感が、反AIの主張の根底にある場合も多いです。アナログからデジタルへと作画手法が移行した際「デジタルは手描きの温かみがない」「ボタン一つで描けてずるい」といった批判がありました。

しかし、今ではデジタル作画は完全に市民権を得ています。

AIを創作を補助する便利な「ツール」の一つとして捉えるのではなく「人間の努力やスキルを無価値にする悪」と見なす傾向が強いです。

技術の進化によって創作のプロセスが変化することへの不安や、既存の価値観への固執が、一方的な技術否定につながっているのです。結果的に価値観の押し付けが過激化するため、反AI派は嫌われてしまいます。

AIを学ばないとやばい理由3選

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AIの登場は説明するまでもなく「時代の転換期」であると言えます。AIが本格的に人間の知能を越える前に、AIを使いこなす知識を身に付けておく必要があるのです。

今後AIを学ばないとやばい理由は以下のとおりです。

  • 仕事を奪われる
  • 格差が広がる
  • 思考停止してしまう

仕事が奪われる

「AIの進化によって多くの仕事が奪われる」といった話は聞いたことがあるかもしれません。しかし、大半の人は「自分には関係ない」と楽観的に考えていることでしょう。

  • 仕事を奪われるのはパソコンの前に座っている人だけ
  • 俺は現場に出て働いているから関係ない
  • AIと言っても動画や画像が作れるだけでしょ?

こういった考え方はあなたのクビを静かに締め上げています。

近い将来、企業の事務作業はAIが代替し、大幅な効率化が実現します。経営者は次に「AI導入で浮いたコストで、さらに会社の利益を上げるにはどうすればいいか?」と考えるはずです。

その答えは「成果の出さない社員のリストラ」です。「コスト削減」という大義名分のもと、会社全体で「本当に必要な人材」の選別が始まります。

つまり、リストラされるのは単純にやる気のない人です。事務作業がなくなったからといって、事務担当者がそのまま切られるわけではありません。

そうなってからやる気を出してももう遅いのです。

情報格差が広がる

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「情報格差=資産格差」と考えてください。これからの時代はAIを使って大量の情報にアクセスし、適切に使いこなせる人間だけが富を得ることができます。

AIを使う人と使わない人とでは、勉強や仕事において取り返せない格差が広がるのは当たり前になります。

AIを使いこなす起業家は市場のニーズを瞬時に分析し、コストを極限まで抑えたサービスで、古い企業から顧客と利益を根こそぎ奪っていく。

AIを使いこなす同僚はあなたが1週間かける仕事を半日で終わらせ、その差は給料と昇進となって明確に現れる。

AIを学んだ人は仕事を効率的に進めて、普通の人の倍のスピードで仕事を終わらせます。これではAIによる格差が広がるのは当然ですよね。

問題は「自分はどちら側に立つか」です。

思考停止してしまう

AIを普段から使っていない人は、思考停止でAIの言うことを鵜呑みにするようになります。単純に頭を使わなくなるだけではなく、情報の真偽も見抜けなくなるということです。

AIは「それっぽい情報」を出力するのが得意です。最近は情報の精度も高まってきていますが、それでもまだ完璧ではありません。

普段からAIを使っていない人は情報の真偽を判断できないため、AIから出力される情報を信じることしかできません。AIが作り出した情報を真実だと思い込んでしまうと、気付かないうちに間違った方向に進んでしまうこともあり得ます。

AIに普段から触れている人はAIに答えを求めるような使い方はしません。自分の考えを深めるためのツールとしてAIを使っているのです。

つまりAIを使う人はより思考が深まり、AIを使わない人はより思考が浅くなるということです。こんなところにも格差が生まれてしまうんです。

大切なのは今のうちからAIを使いこなせる人材を目指すことです。

建設的なAIとクリエイターの未来

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感情的な対立を超え、クリエイターとAIが共存する未来を考えることも重要です。この章では、そのために必要となる具体的な知識や、創作者が持つべき視点を解説します。

  • AIは敵か?それともツールか?
  • 求められる法整備と正しい技術理解
  • 感情論に惑わされない情報収集術
  • 創作者が本当にすべき自衛策

AIは敵か?それともツールか?

生成AIはクリエイターの仕事を奪う「敵」として語られがちです。しかし、見方を変えれば、創作活動を力強くサポートする「ツール」となります。AIを敵視するのではなく、道具としていかに活用するかを考える視点が重要です。

アイデア出しの段階で多様なコンセプトアートをAIに生成させたり、複雑な背景やモブキャラクターの作成を任せたりすることで、制作時間を大幅に短縮できます。

これによりクリエイターは作品の最も重要な、創造性を発揮すべき部分に時間とエネルギーを集中させられます。

AIを自身のスキルセットに組み込むことで、これまで時間や技術の制約で実現できなかった表現も可能になるかもしれません。AIはクリエイターの創造性を代替するのではなく、むしろ拡張する存在になり得るのです。

求められる法整備と正しい技術理解

AIとクリエイターが健全に共存する社会を実現するためには、法整備と社会全体の正しい技術理解が不可欠です。日本の現行著作権法では、第30条の4において「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」が認められています。

つまりAIが開発段階で膨大なデータを学習する行為は、この条文に該当するため、原則として著作権侵害にはあたらないと解釈されています。

著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

〜中略〜
二 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第四十七条の五第一項第二号において同じ。)の用に供する場合

ただし、AIが生成した作品が特定の著作物と酷似している場合は、別途著作権侵害(翻案権や同一性保持権の侵害など)が問われる可能性があります。どこからが侵害にあたるのか、その線引きがまだ曖昧な部分もあり、今後の判例の蓄積や法改正に向けた議論が進められています。

クリエイターも消費者も、感情論だけでなくこうした法的な枠組みや技術の仕組みを正しく理解することが重要です。

感情論に惑わされない情報収集術

AIに関する議論は、SNS上で感情的になりがちです。不安を煽るようなデマや極端な意見が拡散されやすく、客観的な事実を見失ってしまう危険があります。

SNSでの感情論に惑わされないためには、信頼できる情報源から情報を得ることが重要です。個人のSNS投稿やブログ記事の内容を鵜呑みにする前に、一歩立ち止まって情報の出所を確認する必要があります。

信頼できる情報源の選び方

信頼性の高い情報とそうでない情報を見分けるには、いくつかのポイントがあります。以下の表を参考に、情報源を吟味してみてください。

情報源の種類特徴注意点
公的機関
(文化庁、内閣府など)
法解釈や政府方針などの一次情報。信頼性が最も高い。発表内容が専門的で、一般向けに噛み砕かれていない場合がある。
法律専門家
(弁護士など)
法的観点からの客観的な分析や解説。専門家によっても見解が分かれる論点が存在する。
信頼できるメディア
(大手新聞社、技術系専門サイト)
事実確認(ファクトチェック)を経た情報。媒体によって特定の立場に寄った報道がされる可能性もある。
SNSやまとめサイト速報性が高いが、誤情報や個人的な意見、感情的な投稿が多い。情報の裏付けが必須。一次情報源として扱うのは危険。

一つの情報だけを信じるのではなく、複数の異なる立場からの情報を比較検討することが大切です。

クリエイターが本当にすべき自衛策

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AIによる学習から自身の作品を守りたい、と考えるクリエイターは少なくありません。そのための自衛策として、画像にノイズを入れる「Glaze」のようなツールが注目されています。

しかし、これらのツールはAIの学習を「阻害」するものであり、完全に「防止」できるわけではありません。AI技術も日々進化しており、いずれは対策を乗り越えるモデルが登場する可能性は十分に考えられます。

AI時代のクリエイターに必要な本当の自衛策は以下のとおりです。

  • 独自の作風や世界観を深く追求する
  • ファンとの強固なコミュニティを築く
  • 作品だけでなく背景にある思想やストーリーを発信する

上記の視点を意識することで、作品だけでなくクリエイター自身の影響力を高められます。ブランド価値はAIに代替されるものではありません。自身のブランドを確立する視点が、これまで以上に求められています。

まとめ

反AIが嫌われる背景には一部の過激な誹謗中傷や、技術への誤解から生まれるデマの拡散があります。AIは一方的に否定されるべき敵ではなく、クリエイターの創造性を拡張する強力なツールとなり得る可能性を秘めています。

感情的な対立に身を置くのではなく、AI技術とどう向き合っていくかを考えることがクリエイターにとって重要です。

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