反AIがやばいと言われる理由|過激化する活動の実態とAI時代の生き抜き方

SNSなどで見かける反AIの過激な言動に「少しやばいのでは?」と感じた経験はありませんか?この記事では反AIがやばいと言われる理由について、その背景にある問題を解説します。
記事を読めば生成AIを巡る論争を冷静に理解し、今後どう向き合うべきかのヒントが得られるでしょう。
- 反AIが「やばい」と言われる具体的な理由
- 活動が過激化する背景にある心理や誤解
- 主張に潜む矛盾点やダブルスタンダード
- これからのAI時代に求められる向き合い方
反AIがやばいと言われる理由

反AIがやばいと言われる理由は以下のとおりです。
- クリエイターへの魔女狩り
- 主張に一貫性がない
- 正義を振りかざすキャンセルカルチャー
- 脅迫や業務妨害などの犯罪行為
- デマや誹謗中傷の拡散
クリエイターへの魔女狩り
「AI魔女狩り」とは手描きイラストをAIが生成したものだと一方的に決めつけ、制作者を激しく攻撃する行動を指します。
「AI魔女狩り」が広まるきっかけとなったのが、2022年に起きたイラストレーター852話氏の炎上事件です。852話氏が公開した手描きのイラストに対し、一部のユーザーがAI生成であると断定し、誹謗中傷を始めました。
証拠なく個人を断罪するこの行為は、クリエイターが安心して創作活動しにくい雰囲気を作り出しています。以下の記事でも詳しく解説しているので興味のある方はどうぞ。

主張に一貫性がない

反AI活動の一部には主張や行動に一貫性が見られないという指摘があります。これは「ダブルスタンダード」とも呼ばれ、その姿勢に疑問を抱く人が多くいます。
反AI派は画像生成AIは「クリエイターの権利を侵害する悪」として強く批判する一方で、日常生活では翻訳AIやスマートフォンの予測変換など、AI技術の恩恵を無意識に受けています。
特定の分野のAIだけを選択的に非難する態度は、ご都合主義的だと見なされることがあります。
二次創作文化との矛盾も指摘されています。二次創作は既存のアニメや漫画のキャラクターを利用してファンが新たな作品を創造する文化です。法律的に見ればグレーな領域です。
AIによる画像生成を「無断学習だから著作権侵害だ」と批判しながら、自身は同じくグレーな二次創作活動を行う姿勢は、説得力に欠けると言えるでしょう。

正義を振りかざすキャンセルカルチャー
一部の反AI活動は、異論を許さず集団で対象を攻撃する「キャンセルカルチャー」に似ています。AIに肯定的な著名人を「裏切り者」と罵倒したり、企業企画を批判や脅迫で中止に追い込んだりする事例もありました。
このような行為は建設的な議論を妨げ、自分たちの正義を振りかざすだけの排他的な動きと見なされています。
脅迫や業務妨害などの犯罪行為

反AI派の人たちが犯罪行為に及ぶケースもあります。2024年には、AIイラストをアイコンにした車折神社に対し「放火する」等の脅迫メールが送られ、男性が逮捕される事件も起きました。ネット上の言動が現実の犯罪として裁かれる深刻な事態であり、社会問題として認識されています。
デマや誹謗中傷の拡散
反AI活動の中には事実の一部を歪めたり、虚偽の情報を流したりして不安を煽る行為が見られます。情報の正確性を確かめずに拡散されるデマは、無関係な人々にも被害を及ぼしかねません。
人気漫画家の荒木飛呂彦氏さんが、著書でAIに対する懸念と期待の両方を示したにもかかわらず、懸念部分のみを切り取った投稿が「荒木氏も反AIだ」というかのように拡散されました。
著名人の発言を自分たちの主張に都合よく利用しようとする意図的な情報操作です。
電子書籍サイト「マンガ図書館Z」がサービスを終了した際に「原因はAIだ」というデマが流れましたが、これは関係者によって明確に否定されています。
反AI活動が過激化する理由

- 著作権法に対する誤解
- 絵師が持つ特権意識
- 矛盾を正当化する認知バイアス
著作権法に対する誤解
活動の根底には、日本の著作権法への誤解があります。多くは「AIの無断学習は違法な窃盗」と主張しますが、現行法(第30条の4)では情報解析目的の学習は原則として適法です。
この法解釈の違いが議論を平行線にさせ、学習行為そのものを悪と断定します。他者を攻撃する過激な言動の正当化にもつながっています。
絵師が持つ特権意識

過激化の背景に、一部の絵師が持つ「絵は特別な創造活動だ」という特権意識が指摘されることがあります。この考え方はイラスト生成AIだけを敵視し、翻訳AIなどは許容するダブルスタンダードを生み出します。
このような特権意識は「自分たちの権利だけを主張している」と受け取られ、他の分野のクリエイターや一般層から共感されにくくなります。
矛盾を正当化する認知バイアス
人間は無意識のうちに自分の矛盾を正当化しようとする心理的な働き、いわゆる「認知バイアス」が働きます。「AIは悪だ」と信じている人が便利な翻訳AIを使った場合「これは仕方ない」「このくらいは許される範囲だ」と自分の中で理由付けを行います。
自分の考えを支持する情報ばかりを集め、反対意見を無視する「確証バイアス」も大きく影響しています。反AI派はAIの危険性を訴える情報や自分たちに同調的な意見ばかりに触れることで、自分たちの主張の矛盾点に気づきにくくなります。
AI時代を生き抜く方法

AI時代を生き抜く方法として以下の内容を解説します。
- AIのリスクと可能性
- 社会に浸透するAI導入事例
- AIを創造性を高めるツールと捉える
AIのリスクと可能性
AI時代ではAIが持つリスクと可能性の両方をバランス良く学びましょう。感情的に反発するのではなく、事実にもとづいて正しく現状を理解することが大切です。AIがもたらすリスクは以下のとおりです。
- 著作権保護の問題
- ディープフェイク技術の悪用
- 雇用の変化
AIがもたらす大きな可能性も理解する必要があります。医療分野での高度な診断支援、精度の高い災害予測、教育現場での個別最適化された学習など、AIはすでに社会基盤を支える不可欠な技術となりつつあります。
多角的な視点からAIを学ぶことで、漠然とした不安はなくなります。技術のメリットとデメリットを客観的に見極め、AIを使いこなせる人材を目指しましょう。
社会に浸透するAI導入事例

AIの活用は一部のT企業だけにとどまりません。すでに国内外の様々な企業や行政機関で導入が進んでおり、社会に大きな変化をもたらしています。例えば以下のような領域でAIが活用されています。
- 大手ゲーム会社の開発効率化
- アニメ制作会社の作画工程の補助
- 国税庁の確定申告の資料作成
- 東京都は学校教育へ導入を検討
AIの活用は社会全体で進行している大きなトレンドです。「AIは悪」といった単純な二元論では、時代の変化に取り残されてしまいます。
AIを創造性を高めるツールと捉える
AIを「人間の仕事を奪う敵」と見なすか「人間の能力を拡張する味方」と捉えるかで、未来は大きく変わります。これからの時代を生き抜くためには、AIを創造性を高めるための強力なツールとして活用する視点が欠かせません。
歴史的にも新しい技術が登場するたびに同様の懸念が生まれてきました。写真の登場時には画家が、デジタル作画ソフトの登場時には手描き文化が脅かされると言われました。
クリエイターたちはそれらの新しい技術を道具として取り入れ、結果として表現の幅を大きく広げてきたのです。
生成AIも同様に、創作活動を豊かにする可能性を秘めています。変化を恐れて拒絶するのではなく、変化に適応して自分の仕事に活かせるようになりましょう。
AIを学ばないとやばい理由3選

AIの登場は説明するまでもなく「時代の転換期」であると言えます。AIが本格的に人間の知能を越える前に、AIを使いこなす知識を身に付けておく必要があるのです。
今後AIを学ばないとやばい理由は以下のとおりです。
- 仕事を奪われる
- 格差が広がる
- 思考停止してしまう
仕事が奪われる
「AIの進化によって多くの仕事が奪われる」といった話は聞いたことがあるかもしれません。しかし、大半の人は「自分には関係ない」と楽観的に考えていることでしょう。
- 仕事を奪われるのはパソコンの前に座っている人だけ
- 俺は現場に出て働いているから関係ない
- AIと言っても動画や画像が作れるだけでしょ?
こういった考え方はあなたのクビを静かに締め上げています。
近い将来、企業の事務作業はAIが代替し、大幅な効率化が実現します。経営者は次に「AI導入で浮いたコストで、さらに会社の利益を上げるにはどうすればいいか?」と考えるはずです。
その答えは「成果の出さない社員のリストラ」です。「コスト削減」という大義名分のもと、会社全体で「本当に必要な人材」の選別が始まります。
つまり、リストラされるのは単純にやる気のない人です。事務作業がなくなったからといって、事務担当者がそのまま切られるわけではありません。
そうなってからやる気を出してももう遅いのです。
情報格差が広がる

「情報格差=資産格差」と考えてください。これからの時代はAIを使って大量の情報にアクセスし、適切に使いこなせる人間だけが富を得ることができます。
AIを使う人と使わない人とでは、勉強や仕事において取り返せない格差が広がるのは当たり前になります。
AIを使いこなす起業家は市場のニーズを瞬時に分析し、コストを極限まで抑えたサービスで、古い企業から顧客と利益を根こそぎ奪っていく。
AIを使いこなす同僚はあなたが1週間かける仕事を半日で終わらせ、その差は給料と昇進となって明確に現れる。
AIを学んだ人は仕事を効率的に進めて、普通の人の倍のスピードで仕事を終わらせます。これではAIによる格差が広がるのは当然ですよね。
問題は「自分はどちら側に立つか」です。
思考停止してしまう
AIを普段から使っていない人は、思考停止でAIの言うことを鵜呑みにするようになります。単純に頭を使わなくなるだけではなく、情報の真偽も見抜けなくなるということです。
AIは「それっぽい情報」を出力するのが得意です。最近は情報の精度も高まってきていますが、それでもまだ完璧ではありません。
普段からAIを使っていない人は情報の真偽を判断できないため、AIから出力される情報を信じることしかできません。AIが作り出した情報を真実だと思い込んでしまうと、気付かないうちに間違った方向に進んでしまうこともあり得ます。
AIに普段から触れている人はAIに答えを求めるような使い方はしません。自分の考えを深めるためのツールとしてAIを使っているのです。
つまりAIを使う人はより思考が深まり、AIを使わない人はより思考が浅くなるということです。こんなところにも格差が生まれてしまうんです。
大切なのは今のうちからAIを使いこなせる人材を目指すことです。
まとめ

反AIがやばいと言われる背景には誹謗中傷や脅迫といった過激な言動があります。感情的に批判するのではなく、AIのリスクと可能性を正しく学び、共存を目指す姿勢がこれからの時代には求められます。