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反AIの主張と意見まとめ|AIを学ばないとやばい理由も紹介

反AIの主張と意見をまとめてみた|AIを学ばないとやばい理由も紹介
sibatako

この記事では反AIの主張や反AI派が起こした大きな事件をまとめてみました。

この記事のポイント
  • 反AI運動が起こる根本的な理由
  • 反AI派が掲げる具体的な主張の内容
  • 実際に発生したトラブルや事件の事例
  • 主張に含まれる論理的な矛盾点

反AIの主張まとめ

反AIを掲げる人々がどのような点を問題視しているのか、その主張を3つにまとめて深掘りします。

  • 無断学習は盗作と同じ
  • AI生成物に創造性はない
  • 創作者の仕事が奪われる

無断学習は盗作と同じ

反AI派の最も根幹にある主張は、生成AIがインターネット上の画像をクリエイターの許可なく学習データとして利用している点です。多くのクリエイターは、自身の作品が知らないうちにAIの学習に利用されることに、強い抵抗感や不快感を示しています。

長年を費やして磨き上げた独自の技術や作風が、自分の意図しない形で模倣され、AIによって無数に生成される状況は、自身の努力や創作活動への権利を踏みにじる行為だと感じられています。

この行為は単なる模倣ではなく、知的財産の盗用、いわゆる「盗作」の延長線上にあると捉える意見も多いです。

AI生成物に創造性はない

AIが生成したイラストや文章には、人間が持つような真の創造性や、いわゆる「魂」が込められていないという意見も根強くあります。AIは既存の膨大なデータを組み合わせているに過ぎず、作者自身の経験や感情、伝えたいメッセージといった要素は存在しない、と考えています。

この考えの背景には、アートや創作とは人間ならではの精神的な営みであり、技術だけで代替できるものではないという価値観があります。

「AIには退屈な税金計算や皿洗いを任せたいのであって、人間が楽しむべきアートや創作をさせるべきではない」という海外ユーザーの投稿が多くの支持を集めたこともあります。

創作者の仕事が奪われる

生成AI技術の急速な普及は、イラストレーターやデザイナーといったクリエイターの職業を脅かすのではないか、という強い懸念を生んでいます。AIは低コストで高品質な画像を生成できるため、企業などが人間のクリエイターに仕事を依頼しなくなる未来を危惧しています。

自身の描画技術やデザインスキルで生計を立てているプロのクリエイターにとって、この問題は自身の生活を直接脅かす深刻な脅威と受け止められています。

自分の仕事が、いずれAIに代替されてしまうかもしれないという経済的な不安が、反AI運動の大きな動機の一つになっていることは間違いないでしょう。

反AIの起こした事件まとめ

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  • AI魔女狩り
  • クリエイターへの誹謗中傷
  • サービス・企画の停止騒動
  • 企業・公的機関への攻撃
  • 著名人へのキャンセルカルチャー

AI魔女狩り

「AI魔女狩り」とは手描きイラストをAI生成だと決めつけ、制作者を一方的に攻撃する行為です。2022年、クリエイター852話氏が手描きイラストをAIだと断定され炎上した事件が語源となりました。

852話氏が制作過程のデータで証明しても、誹謗中傷が続いた様子が魔女裁判に例えられたのです。この事件は、証拠なき決めつけが創作者に与える深刻な被害を社会に示しました。

クリエイターへの誹謗中傷

クリエイターへの誹謗中傷
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クリエイター852話氏は殺害予告や、発表した音声作品を巡り「児童ポルノ的だ」といったデマに晒されます。事態を重く見た852話氏は法的手続きに踏み切り、複数の訴訟を起こしました。

2024年4月には反AIによる中傷に対する初の勝訴判決を勝ち取り、行き過ぎた言動に司法の判断が下される重要事例となっています。

サービス・企画の停止騒動

反AIの活動は、個人クリエイターだけでなく、新しい技術を活用しようとする企業や企画にも向けられ、多くのサービスが中止や撤回に追い込まれました。

  • mimicβ版のサービス停止
  • CLIP STUDIO PAINTの機能実装撤回
  • AI朗読劇の中止

mimicβ版のサービス停止

2022年8月、少数のイラストから画風を学習するサービス「mimic」のβ版が公開されました。しかし「他人の絵を無断で学習させる悪用が可能だ」との批判が殺到します。

ガイドラインで無断学習は明確に禁止されていましたが、開発会社や協力したクリエイターへの誹謗中傷が激化し、サービスはわずか1日で停止に追い込まれました。

CLIP STUDIO PAINTの機能実装撤回

2022年11月、人気ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」を開発するセルシス社が、画像生成AI機能の試験的実装を発表しました。この発表に対してもユーザーから激しい批判が寄せられ、同社は翌12月に実装を撤回し、将来的な搭載も見送る方針を表明する事態となったのです。

AI朗読劇の中止

2024年3月には生成AIが脚本を書き、人気声優が演じる「AI朗読劇」が企画されました。しかし、広告のAIイラストなどを理由に「盗作脚本だ」といった批判や脅迫が殺到します。

主催会社は安全確保が困難と判断し、公演は中止されました。この一件はクリエイターの仕事を奪うなと主張する人々が、結果的に声優の仕事を奪った事例として大きな議論を呼びました。

企業・公的機関への攻撃

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反AIによる批判や攻撃の矛先は民間企業のみならず、公的な機関や国家にまで及ぶことがあります。特に注目を集めた事例は以下のとおりです。

  • ナウル共和国政府観光局への誹謗中傷
  • 車折神社への脅迫と逮捕者の発生
  • 著名人へのキャンセルカルチャー

ナウル共和国政府観光局への誹謗中傷

2024年9月、ナウル共和国政府観光局の公式XアカウントがXに搭載されたAI機能「Grok」で生成した画像を投稿したところ、反AIユーザーからの批判が殺到しました。投稿を削除した後も攻撃は止まず「未開の部族」「蛮族」といった人種差別的な誹謗中傷にまで発展します。

事態を重く見た同観光局は、弁護士と相談の上で法的措置を取ることを発表しました。国家の公式アカウントが、SNSの標準機能を利用しただけで激しい攻撃を受け、法的対応を表明するに至った異例の事件です。

車折神社への脅迫と逮捕者の発生

2025年3月、京都市の車折神社がAIで生成されたイラストを公式Xアカウントのアイコンに使用したところ、一部から批判が殺到しました。炎上はSNS内に留まらず、Googleマップの評価荒らしや、1日に50件もの抗議電話(電凸)に発展します。

「放火する」「全焼するぞ」といった悪質な脅迫メールが多数送りつけられる事態となり、神社は警察に相談しました。

この脅迫行為は単なる嫌がらせでは終わりませんでした。同年7月、脅迫と業務妨害の疑いで38歳の無職の男が逮捕されます。男は容疑を認め、「生成AI絵師を擁護するような態度に腹が立った」と供述しました。

著名人へのキャンセルカルチャー

AIに現実的な見解を示した著名人も攻撃対象となりました。当初、反AI層から期待されていた赤松健議員と山田太郎議員は、AIとの共存を模索する姿勢を見せると「裏切り者」として激しい誹謗中傷を受けます。

自分たちの理想と異なる意見を許さず、集団で攻撃するキャンセル・カルチャーの一面が色濃く表れた事例といえるでしょう。両議員の姿勢は表現の自由を重んじるものでした。

反AIの主張に見られる矛盾点まとめ

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反AI派の主張には正当な懸念も含まれる一方で、客観的に見ると論理的な矛盾を抱えている点も指摘されています。ここでは、代表的な4つの矛盾点について解説します。

  • 二次創作は認めるダブスタ
  • クリエイターだけを擁護する姿勢
  • ゼロからの創作以外認めない
  • 法的な知識不足

二次創作は認めるダブスタ

多くの反AI派は既存のキャラクターや世界観を利用する二次創作活動を容認、あるいは自ら楽しんでいます。二次創作はAIがネット上の絵を学習して出力するのと本質的には同じことです。

しかし、AIが既存の著作物を学習して新しいものを生み出すことに対しては、「フリーライド(ただ乗り)だ」と強く批判します。一方を文化として擁護し、もう一方を盗作だと断じる姿勢は、ダブルスタンダード(二重基準)であると指摘されています。

自身の創作活動の都合の良い部分だけを切り取っている、という批判的な見方もあります。

クリエイターだけを擁護する姿勢

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反AIの主張の中には「クリエイター」という職種だけを特別視し、他の職種がAIに代替されることは容認するという、矛盾した姿勢が見られることがあります。例えば「単純作業や翻訳の仕事は創造性がないからAIに任せても良い」と発言する一方で、自身の領域であるイラスト生成AIだけを強く拒絶するケースです。

技術の進歩が既存の仕事を奪い、新しい仕事を生み出すという社会の変化は、歴史上何度も繰り返されてきました。歴史的な文脈を無視して、クリエイターの仕事だけを「聖域」として保護するよう求める主張は、自己中心的な発想だと捉えられても仕方ありません。

ゼロからの創作以外認めない

反AI派の一部には「ゼロから全て手作業で作るフルスクラッチ以外は創作ではない」という過激な主張が見られます。つまりAIの利用は創作とは認めないという主張です。

ところが、この論理を突き詰めると、現代のほとんどの創作活動が否定されてしまう矛盾に陥ります。例えば、デジタルで絵を描く際に利用するペイントソフトやペンタブレット、あるいはアナログで使う絵の具やキャンバスも、全て先人たちが作り上げた道具や技術です。

あらゆる創作は先人の知恵やツールの積み重ねの上に成り立っています。その意味で、AIもまた、人類が作り出した新しいツールの一つと捉えることができるでしょう。完全なゼロからの創作に固執する主張は矛盾しています。

法的な知識不足

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感情的な反発が先行するあまり、法的な側面への理解が不足しているケースも見受けられます。一部の反AI派が、AIの利用が自分たちの「商売」の利益を不当に害するとして、公正取引委員会に規制を求める意見を送るよう呼びかけた事例がありました。

この行動には、予期せぬリスクが潜んでいます。同人活動は、建前上「商業活動ではない」という曖昧な定義の上で成り立ってきました。しかし、自ら「商売の邪魔だ」と主張することは、自分たちの活動が「商業活動」であると認めることにつながりかねません。

もし同人活動が商業活動だと明確に認定されれば、これまでグレーゾーンとして見過ごされてきた税金の問題や、著作権の問題が厳格化される可能性があります。良かれと思って行った行動が、結果的に自分たちの首を絞める事態を招く危険性があるのです。

AIを学ばないとやばい理由3選

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AIの登場は説明するまでもなく「時代の転換期」であると言えます。AIが本格的に人間の知能を越える前に、AIを使いこなす知識を身に付けておく必要があるのです。

今後AIを学ばないとやばい理由は以下のとおりです。

  • 仕事を奪われる
  • 格差が広がる
  • 思考停止してしまう

仕事が奪われる

「AIの進化によって多くの仕事が奪われる」といった話は聞いたことがあるかもしれません。しかし、大半の人は「自分には関係ない」と楽観的に考えていることでしょう。

  • 仕事を奪われるのはパソコンの前に座っている人だけ
  • 俺は現場に出て働いているから関係ない
  • AIと言っても動画や画像が作れるだけでしょ?

こういった考え方はあなたのクビを静かに締め上げています。

近い将来、企業の事務作業はAIが代替し、大幅な効率化が実現します。経営者は次に「AI導入で浮いたコストで、さらに会社の利益を上げるにはどうすればいいか?」と考えるはずです。

その答えは「成果の出さない社員のリストラ」です。「コスト削減」という大義名分のもと、会社全体で「本当に必要な人材」の選別が始まります。

つまり、リストラされるのは単純にやる気のない人です。事務作業がなくなったからといって、事務担当者がそのまま切られるわけではありません。

そうなってからやる気を出してももう遅いのです。

情報格差が広がる

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「情報格差=資産格差」と考えてください。これからの時代はAIを使って大量の情報にアクセスし、適切に使いこなせる人間だけが富を得ることができます。

AIを使う人と使わない人とでは、勉強や仕事において取り返せない格差が広がるのは当たり前になります。

AIを使いこなす起業家は市場のニーズを瞬時に分析し、コストを極限まで抑えたサービスで、古い企業から顧客と利益を根こそぎ奪っていく。

AIを使いこなす同僚はあなたが1週間かける仕事を半日で終わらせ、その差は給料と昇進となって明確に現れる。

AIを学んだ人は仕事を効率的に進めて、普通の人の倍のスピードで仕事を終わらせます。これではAIによる格差が広がるのは当然ですよね。

問題は「自分はどちら側に立つか」です。

思考停止してしまう

AIを普段から使っていない人は、思考停止でAIの言うことを鵜呑みにするようになります。単純に頭を使わなくなるだけではなく、情報の真偽も見抜けなくなるということです。

AIは「それっぽい情報」を出力するのが得意です。最近は情報の精度も高まってきていますが、それでもまだ完璧ではありません。

普段からAIを使っていない人は情報の真偽を判断できないため、AIから出力される情報を信じることしかできません。AIが作り出した情報を真実だと思い込んでしまうと、気付かないうちに間違った方向に進んでしまうこともあり得ます。

AIに普段から触れている人はAIに答えを求めるような使い方はしません。自分の考えを深めるためのツールとしてAIを使っているのです。

つまりAIを使う人はより思考が深まり、AIを使わない人はより思考が浅くなるということです。こんなところにも格差が生まれてしまうんです。

大切なのは今のうちからAIを使いこなせる人材を目指すことです。

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