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【逮捕・炎上】反AIの歴史から学ぶAI時代の向き合い方|先鋭化する言動の背景とは

反AIの歴史から学ぶAI時代の向き合い方|過激化する言動の背景とは
sibatako

この記事では反AIと呼ばれる活動の始まりから現在までの主な事件や、その中で問題視される行為を解説します。記事を読めば一連の騒動の背景を客観的に理解し、今後のAIとの向き合い方を考える指針を得られます。

AI技術の発展と向き合うために、まずは事実を知ることが重要です。

この記事のポイント
  • 反AIと呼ばれる活動の始まりと歴史的経緯
  • クリエイターや企業を巻き込んだ具体的な炎上事件
  • デマや誹謗中傷など問題視される行為の実態
  • これからの社会でAI技術とどう向き合うべきか

過激化する反AIの歴史と主な事件

反AIと呼ばれる活動は、ネット上の小さな火種から始まりました。ここでは、その活動が社会問題へと発展するまでの主要な事件を解説します。

  • 始まりは「AI魔女狩り」
  • クリエイターへの誹謗中傷
  • サービス・企画の停止騒動
  • 企業・公的機関への攻撃
  • 著名人へのキャンセルカルチャー

始まりは「AI魔女狩り」

「AI魔女狩り」とは手描きイラストをAI生成だと決めつけ、制作者を一方的に攻撃する行為です。2022年、クリエイター852話氏が手描きイラストをAIだと断定され炎上した事件が語源となりました。

852話氏が制作過程のデータで証明しても、誹謗中傷が続いた様子が魔女裁判に例えられたのです。この事件は、証拠なき決めつけが創作者に与える深刻な被害を社会に示しました。

クリエイターへの誹謗中傷

クリエイターへの誹謗中傷
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クリエイター852話氏は殺害予告や、発表した音声作品を巡り「児童ポルノ的だ」といったデマに晒されます。事態を重く見た852話氏は法的手続きに踏み切り、複数の訴訟を起こしました。

2024年4月には反AIによる中傷に対する初の勝訴判決を勝ち取り、行き過ぎた言動に司法の判断が下される重要事例となっています。

サービス・企画の停止騒動

反AIの活動は、個人クリエイターだけでなく、新しい技術を活用しようとする企業や企画にも向けられ、多くのサービスが中止や撤回に追い込まれました。

  • mimicβ版のサービス停止
  • CLIP STUDIO PAINTの機能実装撤回
  • AI朗読劇の中止

mimicβ版のサービス停止

2022年8月、少数のイラストから画風を学習するサービス「mimic」のβ版が公開されました。しかし「他人の絵を無断で学習させる悪用が可能だ」との批判が殺到します。

ガイドラインで無断学習は明確に禁止されていましたが、開発会社や協力したクリエイターへの誹謗中傷が激化し、サービスはわずか1日で停止に追い込まれました。

CLIP STUDIO PAINTの機能実装撤回

2022年11月、人気ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」を開発するセルシス社が、画像生成AI機能の試験的実装を発表しました。この発表に対してもユーザーから激しい批判が寄せられ、同社は翌12月に実装を撤回し、将来的な搭載も見送る方針を表明する事態となったのです。

AI朗読劇の中止

2024年3月には生成AIが脚本を書き、人気声優が演じる「AI朗読劇」が企画されました。しかし、広告のAIイラストなどを理由に「盗作脚本だ」といった批判や脅迫が殺到します。

主催会社は安全確保が困難と判断し、公演は中止されました。この一件はクリエイターの仕事を奪うなと主張する人々が、結果的に声優の仕事を奪った事例として大きな議論を呼びました。

企業・公的機関への攻撃

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反AIによる批判や攻撃の矛先は民間企業のみならず、公的な機関や国家にまで及ぶことがあります。特に注目を集めた事例は以下のとおりです。

  • ナウル共和国政府観光局への誹謗中傷
  • 車折神社への脅迫と逮捕者の発生
  • 著名人へのキャンセルカルチャー

ナウル共和国政府観光局への誹謗中傷

2024年9月、ナウル共和国政府観光局の公式XアカウントがXに搭載されたAI機能「Grok」で生成した画像を投稿したところ、反AIユーザーからの批判が殺到しました。投稿を削除した後も攻撃は止まず「未開の部族」「蛮族」といった人種差別的な誹謗中傷にまで発展します。

事態を重く見た同観光局は、弁護士と相談の上で法的措置を取ることを発表しました。国家の公式アカウントが、SNSの標準機能を利用しただけで激しい攻撃を受け、法的対応を表明するに至った異例の事件です。

車折神社への脅迫と逮捕者の発生

2025年3月、京都市の車折神社がAIで生成されたイラストを公式Xアカウントのアイコンに使用したところ、一部から批判が殺到しました。炎上はSNS内に留まらず、Googleマップの評価荒らしや、1日に50件もの抗議電話(電凸)に発展します。

「放火する」「全焼するぞ」といった悪質な脅迫メールが多数送りつけられる事態となり、神社は警察に相談しました。

この脅迫行為は単なる嫌がらせでは終わりませんでした。同年7月、脅迫と業務妨害の疑いで38歳の無職の男が逮捕されます。男は容疑を認め、「生成AI絵師を擁護するような態度に腹が立った」と供述しました。

著名人へのキャンセルカルチャー

AIに現実的な見解を示した著名人も攻撃対象となりました。当初、反AI層から期待されていた赤松健議員と山田太郎議員は、AIとの共存を模索する姿勢を見せると「裏切り者」として激しい誹謗中傷を受けます。

自分たちの理想と異なる意見を許さず、集団で攻撃するキャンセル・カルチャーの一面が色濃く表れた事例といえるでしょう。両議員の姿勢は表現の自由を重んじるものでした。

反AI活動で問題視される行為

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反AIの活動が過激だとされる背景には、いくつかの共通した行動パターンがあります。ここでは、特に問題視されている手法やその実態について解説します。

  • デマや切り抜きによる扇動
  • 虚偽通報や脅迫、法的措置へ
  • 論点のすり替えとダブスタ
  • 行き過ぎた誹謗中傷の実態

デマや切り抜きによる扇動

反AIの活動には、事実の一部を切り取って悪印象を与える扇動行為が見られます。漫画家・荒木飛呂彦氏が著書でAIへの懸念と期待の両方を示したにもかかわらず、懸念部分のみを投稿し「反AIである」かのように拡散した事例が典型です。

また、マンガ図書館Z閉鎖の際に「原因はAIだ」というデマが流れましたが、関係者によって明確に否定されています。情報の正確性を確かめる姿勢が重要です。

虚偽通報や脅迫、法的措置へ

意見表明の域を超えた犯罪的な行為も問題になっています。2023年のAI作品即売会では「偽札を販売している」という虚偽通報で警察が出動する騒ぎがありました。また、車折神社の事件では「放火する」といった脅迫メールが送られ逮捕者が出ています。

被害を受けた側が法的措置を取る事例も増えており、ネット上の過激な言動が現実に裁かれる前例が作られつつあります。

論点のすり替えとダブスタ

主張や行動に一貫性がなく、矛盾した基準を使い分けるダブルスタンダードも指摘されています。あるクリエイターが関わった作品に対し、攻撃対象によって態度を変える様子が見られました。

米津玄師氏のMVでは沈黙する一方、別のアニメでは激しい攻撃を加えるなど、その対応の違いが失笑を買いました。こうした姿勢は、建設的な議論を困難にし、主張の正当性を失わせる要因となります。

行き過ぎた誹謗中傷の実態

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反AI活動の最も深刻な問題が、個人への度を越した誹謗中傷です。SNS担当者が心労で入院したり、コラボ企画が企業への攻撃によって1日で中止になったりと、クリエイターの活動の場を奪う事態が起きています。

ファンアート制作者が殺害予告を受けアカウント削除に追い込まれた事件もありました。匿名空間での集団による攻撃が、個人の人生に深刻な影響を及ぼしています。

AI活用が避けられない現代社会

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反AIの活動を理解した上で、より広い視点を持つことが重要です。ここでは、AI技術が社会にどう浸透し、未来にどう影響を与えるかを解説します。

  • AI技術の進化と社会への浸透
  • 大手企業や行政のAI導入事例
  • 感情論では語れないAIの未来

AI技術の進化と社会への浸透

AIの歴史は長く、2010年代以降の「ディープラーニング」技術の登場で飛躍的に進化しました。今やAIは医療、交通、物流など社会基盤を支える不可欠な技術です。特に画像生成AIなどの登場は、インターネットの普及に匹敵するほどのインパクトを持つ技術革新といえます。

社会全体の流れとしてAIの活用は避けられないため、技術の存在を前提としたルール作りや議論が求められます。

大手企業や行政のAI導入事例

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AIの活用は一部の先進企業に留まりません。国内外の巨大IT企業はもちろん、ゲーム会社やアニメ制作会社などクリエイティブ産業でも導入が進んでいます。また、国税庁が資料にAI素材を使ったり、東京都が学校教育への導入を検討したりと、行政機関での活用も始まりました。

これは、AIが社会全体で不可逆的に進行しているトレンドであることを明確に示しています。

感情論では語れないAIの未来

生成AIには著作権や雇用など、解決すべき課題が多く存在します。これらの問題には、事実に基づいた冷静な議論が必要です。「AIは悪」といった単純な二元論や感情的な攻撃では、建設的なルール作りは進みません。

新しい技術のメリットとデメリットを客観的に見極め、社会全体で利益を最大化する仕組みを考えることが重要です。AIを正しく理解し、その可能性とリスクを知る姿勢が不可欠といえるでしょう。

AIを学ばないとやばい理由3選

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AIの登場は説明するまでもなく「時代の転換期」であると言えます。AIが本格的に人間の知能を越える前に、AIを使いこなす知識を身に付けておく必要があるのです。

今後AIを学ばないとやばい理由は以下のとおりです。

  • 仕事を奪われる
  • 格差が広がる
  • 思考停止してしまう

仕事が奪われる

「AIの進化によって多くの仕事が奪われる」といった話は聞いたことがあるかもしれません。しかし、大半の人は「自分には関係ない」と楽観的に考えていることでしょう。

  • 仕事を奪われるのはパソコンの前に座っている人だけ
  • 俺は現場に出て働いているから関係ない
  • AIと言っても動画や画像が作れるだけでしょ?

こういった考え方はあなたのクビを静かに締め上げています。

近い将来、企業の事務作業はAIが代替し、大幅な効率化が実現します。経営者は次に「AI導入で浮いたコストで、さらに会社の利益を上げるにはどうすればいいか?」と考えるはずです。

その答えは「成果の出さない社員のリストラ」です。「コスト削減」という大義名分のもと、会社全体で「本当に必要な人材」の選別が始まります。

つまり、リストラされるのは単純にやる気のない人です。事務作業がなくなったからといって、事務担当者がそのまま切られるわけではありません。

そうなってからやる気を出してももう遅いのです。

情報格差が広がる

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「情報格差=資産格差」と考えてください。これからの時代はAIを使って大量の情報にアクセスし、適切に使いこなせる人間だけが富を得ることができます。

AIを使う人と使わない人とでは、勉強や仕事において取り返せない格差が広がるのは当たり前になります。

AIを使いこなす起業家は市場のニーズを瞬時に分析し、コストを極限まで抑えたサービスで、古い企業から顧客と利益を根こそぎ奪っていく。

AIを使いこなす同僚はあなたが1週間かける仕事を半日で終わらせ、その差は給料と昇進となって明確に現れる。

AIを学んだ人は仕事を効率的に進めて、普通の人の倍のスピードで仕事を終わらせます。これではAIによる格差が広がるのは当然ですよね。

問題は「自分はどちら側に立つか」です。

思考停止してしまう

AIを普段から使っていない人は、思考停止でAIの言うことを鵜呑みにするようになります。単純に頭を使わなくなるだけではなく、情報の真偽も見抜けなくなるということです。

AIは「それっぽい情報」を出力するのが得意です。最近は情報の精度も高まってきていますが、それでもまだ完璧ではありません。

普段からAIを使っていない人は情報の真偽を判断できないため、AIから出力される情報を信じることしかできません。AIが作り出した情報を真実だと思い込んでしまうと、気付かないうちに間違った方向に進んでしまうこともあり得ます。

AIに普段から触れている人はAIに答えを求めるような使い方はしません。自分の考えを深めるためのツールとしてAIを使っているのです。

つまりAIを使う人はより思考が深まり、AIを使わない人はより思考が浅くなるということです。こんなところにも格差が生まれてしまうんです。

大切なのは今のうちからAIを使いこなせる人材を目指すことです。

まとめ

反AIの歴史はクリエイターへの魔女狩りから始まり、企業や公的機関への攻撃へとエスカレートしました。その活動にはデマや脅迫といった問題行為も含まれ、社会的な議論を呼んでいます。感情論に流されず、事実に基づき冷静にAIとの向き合い方を考える必要があります。

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